ピヴォ×みんサル

日本フットサル三国志 第1章 フットサルの原点/その6 10年に一度改訂の小学校学習指導要領

フットサルプレイヤーのためのポータルサイト「みんサル」からの記事を転載となります。


 

その6 10年に一度改定の小学校学習指導要領

 

もともと学習要領は10年に1回程度改訂が行われているが、スポーツ庁の発足、2020年東京オリンピック開催などの機運を受けて、2020年改訂においては体育の学習要領の見直しが脚光を浴びた。そんな最中、2017年12月の朝日新聞デジタルに、ゲーム型運動の指導要領解説、「例示」にフットサルを取り上げることに、サッカー協会は反対していると報じられたのであった。「例示」とは、実際にゲーム型運動について具体的に何を参考に教えるのかその競技名を記載するものである。

では今までは何が「例示」として採用されていたのだろうか。平成20年すなわち2008年の学習指導要領を調べてみた。平成20年6月の小学校学習要領解説体育編の第3章各学年の目標および内容の第2節第3学年および第4学年のゲームにおいては、以下の記述がある。

ゴール型ゲームの技能(ゲームはゴール型、ネット型、ベースボール型と分類されている)とは基本的なボールの操作やボールを持たないときの動きによって易しいゲームをすることと定義されていて、易しいゲームとは、簡単なボール操作で行える、比較的少人数で行える、身体接触を避けるなど、児童が取り組みやすいよう工夫したゲームとある。そして、ゲームの内容と例示が示されていて、「例示」には手を使うゲームではハンドボール、ポートボール、足を使うゲームではラインサッカー、ミニサッカー、陣地をとりあうゲームではタグラグビー、フラッグフットボールが取り上げられている。
恐らく、このミニサッカーがフットサルになるかどうか議論されたものと思われる。なかなか難しい問題である。言ってみれば1979年のフットサルとミニサッカーの両方の少年大会が行われて以来40年に渡る課題である。実際、2017年12月にはピヴォ(今はピヴォ×みんサル)にもニュースとして取り上げられ、様々な意見が出ていた。

実をいうとこの報道が出る5か月前、2017年の7月に新指導要領解説の告示が文部科学省からすでに発表されている。そして、ボールゲームの「例示」は、10年前のそれと変更はなく、ミニサッカーの記述に留まっている。恐らく、議論は行われたのだろうが、ミニサッカーにフットサルは含まれるとなったのではないだろうか。

筆者の意見を言うと、ミニサッカーは少人数で行うサッカーでその分類の中にフットサルがあり、5人制はフットサルとして世界統一ルールがあるとした小学館のデジタル大辞典の定義を思い起こせば、ミニサッカー、フットサル両論併記で良いのではないかと思う。学習要領の5、6年生の部の「例示」はサッカーになっているが、細かくいえば現時点では8人制の全国レベルのサッカー大会もあるわけだし、これからの少年サッカーは8人制が主流になるかも知れない。それこそ先生の経験(フットサルをやっていた先生もこれからは増える)や、まわりの環境にあわせて先生がやってみたいと思えばどちらかを選ぶあるいは状況に応じて両方やれればそれに越したことはない。

問題は、あくまで教育現場がミニサッカーをどう受け止め、どう実施していくかであり、実態としては、単純にゲームでフットサルをやらせる、サッカーをやらせればいいというものではない。実施要領には細かく思考力、判断力、表現力の育成として規則を工夫したり、ゲームの形に応じて簡単な作戦を選んだりせよと書いてある。また、学びに向かう力や人間性の育成として、運動に進んで取り組み、規則を守り、勝敗を受け入れたり、友達の考えを認めたり、場や用具の安全に気を付けたりせよなどと細かな規定が記述されている。
したがって、これらの項目をブレークダウンしてどう実現するか、単元構成、練習時間、パスやドリブル、シュートなどの練習方法、ゲームのルールなどきめ細かくマニュアル化しないと指導はできないのである。実際、いくつかのマニュアル事例を見てみると、フットサルが出てきたり、サッカーが出てきたりする。小学校中学年代(小3、小4)はルールにこだわるわけでもないのでそれでいいのだと思う。
逆に高学年代(小5、小6)は、サッカーに限らず、フットサルも取り入れ、そのゲーム特性、ルール特性の違いを学ばせ、生徒に考えさせることが、生徒にとってのそれぞれの競技の理解を進める上で極めて重要なのではないだろうか。
次回はいよいよフットサルが世間的に認知された1996年の第1回全日本フットサル選手権に話を進めて行こう。

写真は、問題となった平成29年7月に制定された小学生学習指導要領解説の表紙とした。その昔、サッカーが幅広く広がった背景には師範学校で教員の間で取り上げられたことが要因として挙げられている。10年後の改訂では、両論併記になるくらいフットサルを盛り上げたいものである。

 

木暮知彦

みんサル運営会社のピープルスポーツ株式会社社長。1999年の第1回の関東フットサルリーグ、伝説のスーパーリーグの立ち上げなどに関わった。自らはFIRE FOXの代表として、リーグ優勝、フットサル選手権の優勝を経験した。元フットサル日本代表木暮 賢一郎の父親でもある。

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