ピヴォ×みんサル

ウォーキングサッカーで学ぶ、歩くすごさと考える力【コラム】

2019年3月14日、千住
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

キックオフの笛が鳴り、一本のパスが出る。その瞬間「そういうことか」と思わずつぶやいた。すると近くにいたGKが「そういうことなんですよ」と笑いながらツッコんでくれた。3月14日、京成・関屋駅の側にあるミズノフットサルプラザ千住で行われていた歩くサッカー、ウォーキングサッカー体験会での出来事である。

このウォーキングサッカーの特徴は3点。

・走ってはいけない
・ヘディング禁止
・接触プレーも禁止

この特徴が起こす現象が、試合開始と同時に現れた。

走ってはいけないのは自分だけじゃない、周りも走ってはいけない。そのため、走っていることが前提のサッカーの感覚でパスを出すことができない。走っていれば届くはずのパスに、歩いている人は追いつけないわけである。「パススピードを考えないといけないんですよ」とGKがコツを教えてくれた。

「走ってはいけないし、接触もいけないし、パスも考えないといけない。考えることが多い」。

実際にプレーしていた参加者は「すごく頭を使うし、難しい」と、戸惑いながら試合を重ね息が荒くなる。歩くということは、想像以上にすごいことだった。

「『歩いているのに』ではなく、『歩くからこそ』なんです。歩くことはそれだけ運動量があるんです。普段は歩いていること自体が普通過ぎてまるで呼吸のように考えている。でも考えてみると歩くことの大切さが感じられます」。

ウォーキングサッカー応援団長のこにわさんがそう話す。そしてこにわさんは、「試合を重ねると歩くことが慣れてきて、そこからチャレンジがいろいろできるようになるんです」とその変化を説明。それまでぎこちなく歩いていた参加者たちは、早く歩こうと競歩のように歩いたり、歩幅を大きくしたり工夫をし始める。同時に、足元へつないでいたパスからスペースを狙ったパスに変わる。スルーパスを出す出し手のパススピードと、スペースへ動き出す受け手の歩くスピードが一致しパスが通り始めていた。「コートの中にいる全員の成長が見れる」と、こにわさんは楽しそうに彼らと一緒に歩きながらMCを担当していた。

「小野伸二選手をスカウトした方が『歩き姿を見て天才だと思った』って言ってたんですよ。サッカーをしている場面じゃなかったんですよね。それを聞いた時に、歩くことが世界で活躍する選手に育てることにつながるんだと。なので、ウォーキングサッカーは日本のためになる可能性しかない」。

こにわさんが話すように、歩いていてもサッカーは成立する。むしろ、行動を制限されたとき、人はいろんな工夫をし、サッカーにも役立つような仕組みになっていた。

もちろん、競技面だけではなくエンターテイメントとしても面白い。思わず走ってしまった人が自分で笑いだしていた。そしてこにわさんが「走ったでしょ?」とツッコむと全員で笑う。

「サッカーを遊びにしようというテーマです」。

日本ウォーキングサッカー協会、佐藤光則代表も笑いながら話す。「難しく考えないでみなさんが楽しんでいただけるように、そうすることでサッカーの楽しみ方も増えて文化も変わってくる」と、こにわさんと一緒にウォーキングサッカーの普及活動を行っている。

「過去に86歳の方にも参加していただきました。接触もありませんので、小さなお子さまから高齢の方まで全世代対象です。サッカー経験者はサッカー経験者なりに楽しみ方もあり、未経験の方は運動の一つとして気軽に楽しめますよ」。

そして「特に高齢の方には健康にもいいです」と佐藤代表が話した時、そのことが目の前で起きる。「気づいていたらスーパースターになっていたりしますよ」と話すこにわさんの目の前で、老若男女問わずいろんな人がゴールを決めていた。

ウォーキングサッカーは自治体や高齢者施設、医療関係や学校教育にも広まり、日本各地でプレーされている。そして、昨年はFリーグのボアルース長野、今年はアグレミーナ浜松とのコラボも予定している。

「地方活性ですとか地域のコミュニティーを作っていく上で役立つと思います。プロのチームや地域のスポーツクラブ、自治体とも連携して、サッカーを通じて地域の活性につながる応援をしたいと思います。サッカーだと構えず、何かしたいと思った人にやってほしいですね」。

誰もが平等にできるウォーキングサッカーは、歩くことのすごさを楽しく伝えていた。

 

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