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ボアルース長野の新監督が構築する武勇に優れた精鋭部隊『赤備え』とは!?【山下浩正コラム】

▼土橋宏由樹GMと柄沢健前監督の存在
サッカー好きが多いと聞くこのサイトの読者に質問です。
あなたは、元Jリーガーの土橋宏由樹さん(1977年11月27日生まれ、41歳)を知ってますか?

WEBによると土橋さんはかつてヴァンフォーレ甲府ほかで守備的ミッドフィルダーとして活躍し、引退後は2017年に社会人フットサルクラブ、ボアルース長野のゼネラルマネージャー(GM)に就任している。
サッカーは僕もOVER60で今でもぼちぼちプレーしてますが、Jリーグ知識は皆無といってよく、この原稿を書くにあたってある人に教えられ土橋さんの存在を初めて知った次第だ。

話題をフットサル界に移そう。
あなたは、横澤直樹さん(1976年5月16日生まれ、42歳)という人物を知ってますか?
Jリーグの流れをくむ唯一のFリーグディビジョン1(F1)所属クラブ、湘南ベルマーレフットサルクラブの前アナリストプレーヤー(戦術分析コーチ兼選手)です。
(注:以下、J1クラブとの混乱を避けるため湘南ベルマーレフットサルクラブを湘南ベルマーレFCと記します)

Jリーグと違って、競技系フットサルに詳しくない人でも、日本フットサルリーグ(Fリーグ)に、2018/2019シーズン、ディビジョン2(F2)が新設されたことをご存知の人もいると思います。
そのF2初年度の優勝チームが、土橋さんがGMを務めるボアルース長野(以下、長野)で、リーグ優勝+F1-2入替戦勝利の実績に加えてFリーグクラブライセンスを満たしていることから、このほど、Fリーグ実行委員会によってF1昇格が認められた。来季は、入替戦で勝ったアグレミーナ浜松に代わってF1の舞台で戦うことが正式に決まっている。

そして2019/2020シーズン、その長野を指揮するのが新任の横澤直樹監督であることが3月19日、クラブから発表された。
どういう経緯で横澤監督就任が決まったのか。理由は極めてシンプルだ。

「長野のGM(土橋宏由樹)とは、高校時代の先輩後輩という関係でしたので、F2に参入したときから、お互い気にかけていました。
Jリーグで活躍していた彼がフットサル界へ進出したことは、とても新鮮でうれしい気持ちでしたので、連絡は取り合っていました。
そして、わたしの退任が公開された2日後に、彼から連絡があり、ありがたいオファーをいただきました」(横澤監督)

長野には横澤監督にとって土橋GMのほかにも掛けがえのない縁で結ばれた人がいる。
このたび勇退した柄沢健前監督だ。

「柄沢前監督とは、2003年のブラジルパラナ州のプロフットサルクラブ『Colonia CASCAVEL(コローニア カスカヴェウ)』にて、1シーズン、同じ選手寮で寝食を共に過ごした仲間です。
彼は、昨シーズン終了時に監督退任を決意していた中で、わたしの退任発表を知り、長野のGM(土橋宏由樹)へ、わたしを次期監督に推してくれたことは間違いないと思います。
柄沢さんの力も大きく影響したかと思われます」

 

▼“ピッチ上の監督”がF1昇格3日後に長野を退団
ここで、長野がF2で優勝した今年1月20日以降、横澤監督就任までの事実関係を整理してみよう。以下がその流れだ。

 

01.20 【ボアルース長野】Fリーグ2018/2019ディビジョン2優勝

01.26 【デジタルピヴォ!プラス】横澤直樹アナリストプレーヤー退任を報道

02.23-24 【Fリーグ】ボアルース長野、2018/2019ディビジョン1-2 プレーオフに勝利

02.27 【ボアルース長野】F2優勝&F1-2入替戦勝利の立役者・石関聖との契約満了を発表

02.28 【湘南ベルマーレFC】横澤アナリストプレーヤー退任のお知らせ

03.02  【ボアルース長野】湘南ベルマーレFCの横澤直樹前アナリストプレーヤーに監督就任のオファー

03.13  【Fリーグ】実行委員においてボアルース長野Fリーグディビジョン1参入決定!

03.18 【ボアルース長野】柄沢健監督勇退とトップチームコーチおよびセカンドチーム監督就任

03.19 【ボアルース長野】横澤直樹監督就任のお知らせ

 

ご覧のとおり、横澤監督就任への経緯には、繊維を織り成す縦糸と横糸のようにいくつかの要素が絡まっている。

それにしても、全8チームが2回戦総当りで年間14試合を戦うF2のチームが全12チームが3回戦総当たりで同33試合をこなすF1のチームに勝つのは勝負勘、フィジカル面だけをとっても至難の技、というのが大方の予想だった。だが、2月23、24日の入替戦で長野は1勝1分けでF1・アグレミーナ浜松を破って昇格を決めた。大変なスピード出世だ。

勝因としてその長野に“ピッチ上の監督”といわれる選手がいたことを見逃すことはできない。石関聖。彼こそがF2優勝とF1昇格の最大の貢献者だった。
長野には柄沢健という監督がいた。
しかし、ピッチで相手とどう戦うか戦術を決めそれを選手に伝えるノウハウでより優れていることから中心選手としてプレーしながら石関が事実上の監督役を務めていた。柄沢監督はどのメンバーを毎節、ピッチに置くかを決めることを主業務とするマネージャー役が主だった。
石関は試合前のアップでチンタラやってる選手がいると怒鳴り飛ばしたものだった。「やめちまえ!」とすらいった。
そして試合では相手パスをカットするたびに叫びチームの一体感を生み出すという文字どおりチームの精神的支柱だった。

その石関の契約が更新されなかった背景にはどんなことがあったのか。
僕自身、事実を正確に把握していないので、この件はまた別の機会に。

いずれにしても、長野がF1-2プレーオフに勝利した2月24日の3日後に、クラブは、F2優勝&F1-2入替戦勝利の立役者・石関聖との契約満了という電撃発表をし、石関は

「駒沢での入替戦。今シーズン僕らがやって来たことのすべてが詰まった試合になりました!あの勝利、あの雰囲気、すべてが最高でした!! ボアルースが大好きだと確信できる最高の2日間になりました!(中略)これからの人生も全力で突き進みたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いします!」

というメッセージを残して長野を後にしている。

 

▼長野をどんなチームにしていくのか
話を横澤新監督に戻そう。

ー監督として3年間、アナリストプレーヤーとして2年間の計5年間を湘南ベルマーレFCで過ごした中で、どんな成果を上げてきたのだろうか。改めて聞いてみた。

「わたしが湘南から求められていた仕事は、トップを中心とした下部組織の底上げと、戦術戦略の構築、一貫性であると思われます。
5年間在籍させていただきましたが、5年目のシーズンは、トップ、サテライト、ユース、ジュニアユース、次回バーモントカップに出場する小学5年生(計5つのカテゴリー)の戦術戦略を担当させていただきました。
結果に関しても、トップ(クラブ最高順位3位、4位)、サテライト(関東リーグ1部優勝、全日本選手権・地域チャンピオンズリーグ出場)、ユース(全国ユース選手権3位、県リーグ優勝)など、微力ながら成果は出始めていたのかと感じています。
ただ、決して勝利することだけがすべてではなく、フットサルを通して、喜怒哀楽を感じ、人間としての成長も共にするということが大切なことだと思っています。
わたし自身の夢は、フットサルというスポーツを通して、人々に夢と感動を与え、活動している地域の活性化に貢献することですので、その多くの仕事に携われたことに幸せを感じていました。
そういう意味では、十分に夢を果たせたと思います」

ーでは、長野というチームをどう受け止めているのか。以下に新監督の構想を聞いた。

「長野は、これから発展していくチームであり、希望に満ちあふれていると思います。
その発展の道を共に歩ませていただけることに、とても感謝しています。
チームカラーに関しては、クラブの理念にもあるように常にエネルギッシュに戦っていたイメージがあります。
現段階では、新たなシーズンを戦うメンバーが確定していないので、戦力・中心となる選手に関しては、お伝えできません」

ーF1初年度の長野で2019/2020年シーズン、どんな結果を想定しているか?

「毎年、F1の各チームレベルは上昇していますので、今シーズンに関しても、混戦することが予想されます。
その状況の中、長野にはF1の舞台で初めてプレーする選手も多いので、混戦の中で勝利をつかめるのかどうか、正直、未知の部分がたくさんあるというのが現状です。
まずは、オーシャンカップを戦い、現状を知りたいと思います」

最後に、長野をどんなチームにしていくつもりかを聞いた。その結果、興味深いコメントが返ってきた。

「今シーズンから、初めてF1に参入するチームですので、期待と不安はありますが、新鮮な気持ちでエネルギッシュに挑戦していきたいと思います。トップレベルの経験が不足している選手が多いチーム状況ですが、勢いはあると思いますので、その勢いにわたしのフットサル戦略戦術を融合させて、赤備えのような武勇に優れた精鋭部隊をつくりたいと思います」

※赤備え・・戦国時代、あらゆる武具を朱塗りした精鋭部隊。特に武勇に優れた名将が率いた。

横澤監督のコーチングの特徴は球際の厳しい戦いにあると僕は見ている。
そこから、時に1対1で、時に囲い込みで、また、時に組織ディフェンスでボール奪取し、トランジションからカウンターにつなげる手法だ。そして、ゴール前ではピヴォ当てからの反転もしくは落としのシュート、ファーサイドへのシュートパス、ファー詰め、そして、ドリブル勝負からのシュートと多彩な攻めへと移行する。

…こう書くと、極めてオーソドックスな戦い方に映るだろう。
だが、横澤監督のそれは攻め手の、守備の道程に様々な戦略・戦術のスパイスを散りばめていくことにある。
例えば、相手のゴレイロからロングボールがないと見ればハイプレスからイプシロンでからめとりに行く。
相手に寸分のすきも与えない攻守の手筋が用意されている。

そのためにも選手は厳しいトレーニングを覚悟しなければならない。
走るのは当たり前。
厳しいディフェンスも当たり前。
要は、フィジカルをベースにインテリジェンスあふれる攻撃と守備を備えることにある。

そのうえで、監督の古巣・湘南との戦いに臨もう。
湘南だけが敵ではないが、
攻守に同じ流れを持つチーム同士、甲乙つける格好の場となる。

(取材・文/山下浩正)

 

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