ピヴォ×みんサル

小曽戸允哉が開幕戦で2ゴール。そのゴールを生んだ冷静な状況判断とは?

Fリーグ・ディビジョン1は5月25日、26日に、2019-20シーズンの開幕を迎えた。その第1節の最終試合に行われたのが、シュライカー大阪とペスカドーラ町田の一戦だった。

試合序盤はルイス・ベルナット新監督が就任し、若手が伸び伸びと仕掛けていくフットサルを展開するペスカドーラ町田が流れをつかんでいた。

その流れを断ち切ったのが、2008年からFリーグの舞台でプレーするベテランの元日本代表FP小曽戸允哉だった。前半4分、日本代表GK檜山昇吾がボールを持った時、小曽戸は自陣の左サイドにいた。そこに町田のFPクレパウジ・ヴィニシウスが食いつく。檜山がボールを投げようとした瞬間、小曽戸はヴィニシウスの背後にあったスペースへ向かって走り出した。

町田はフィクソの位置に、日本代表FP滝田学がいたが、中央にいたFP斎藤日向が気になり、小曽戸に対応できない。ヴィニシウスの帰陣が遅れ、滝田がマークを離せないことを察知し、GK小野寺優介がペナルティエリアから飛び出てくる。ボールの落下地点に入った小曽戸は、小野寺の鼻先で1タッチシュートを放ち、ボールを無人のゴールへ流し込んだ。

得点を振り返り、小曽戸は「ゴールキーパーのクリアランスから、本当に練習からやろうとしていた形がうまくできた形だったので。ゴールにつながったのは運もありましたが、ゴールにつなげられたのは良かったと思います」と言う。

 

※ゴールシーンの動画その1

 

動画を見てもわかるように、檜山と小曽戸の即興にも見えるゴールだが、「練習からやろうとしていた形」というのは、どういうことなのか。
「ゴールキーパーに投げてもらって、1タッチシュートを打つっていうことではなく、裏を取る動きですね。あそこでGK(小野寺)が出てこなければ、自分が1対1になっていたり、2対1がつくれる形でした。でも、GKが出ているのが見えて、ゴールが空いているのも見えていたので、先に触れればと思って打ちました」

相手の裏を狙うというのは、小曽戸がこの10年以上、それこそ何千回と繰り返してきた動きのはず。だが小曽戸は、このゴールがあったのはピヴォがいない状況に陥っていたからと、解説する。

「今、チームにはピヴォが(相井)忍しかいない状態で、忍がいない時は裏を取りにいかないと苦しくなります。そこはメンバーを見ながら意識をしていることです。ピヴォが入れば、ピヴォにボールが入った瞬間も狙っているので、そこの運動量は意識してやっています」

小曽戸の“状況判断”は、同点に追いつかれた後半にも発揮される。自陣、左サイドで稲田が1対1に勝ち、大阪は3対2の数的優位な状況で速攻を仕掛けられる状況を得た。稲田の前方には小曽戸がおり、右サイドにはレフティのFP今井翔が張っている。稲田が中央へボールを持ち出すと、小曽戸についていたマークが稲田に対応に行く。加速した稲田は、このマーカーも外し、3対1の状況ができた。

瞬間的に小曽戸は減速し、稲田との間にパスコースをつくる。これを察知した町田のフィクソがパスコースを消すと、稲田は右の今井にパスを送る。次の瞬間、小曽戸はファーポスト前に再加速。今井のシュートコースを消しに行ったGKとフィクソの間に入り、居合からのパスを受け、シュートをネットに突き刺した。

 

※ゴールシーンの動画その2

 

「(稲田)瑞穂が真ん中に持ち出した時、最初に自分のところに来てもいいし、今井の方に振ってから自分に来てもいいと考えていました。最初の段階で、瑞穂が右にドリブルする前に、こっちに来るかなと思ったんです。でも、瑞穂が右にドリブルすることを選択した後、かわしてから、直接パスがくるかなとも思っていたんです。でも、今井の方にパスが出たから、『これはセグンドに来る』と思って走り込みました」

結局、この2ゴールがモノを言い、大阪は4-2で町田を破り、開幕戦を白星でスタートさせた。オーシャンカップからゴールを量産している小曽戸は、ブラジル人FPチアゴ、日本代表FP堀米将太、同FP芝野創太が抜けたチームにとって明るい話題だった。

ところが、小曽戸はこの試合で右膝内側側副靭帯を損傷し、全治6~8週間と診断され、戦列を離れることになった。経験に基づく確かな状況判断、そして辛抱強く同じ動きを繰り返せる再現性を兼ね備えた3シーズン前のリーグMVPが復帰するまで、どれだけ勝ち点を積み重ねられるか。昨季、準優勝に終わった大阪の今季を左右することになりそうだ。

 

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

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