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世界のフットサル界で今一番注目の指揮官。世界を制した『ディエゴ・グストシィ』の人心掌握術とは

エルポソを率いるアルゼンチン人指揮官、ディエゴ・グストシィ。ベンチからチームに熱を伝える。

スペインの強豪、エルポソのベンチが注目されている。2016年、アルゼンチンを世界王者に導いた名将・ディエゴ・グストシィの勝利への執念がそこにはあった。

▼世界を制した監督の信条

昨夏にイベリア半島の南東部にやって来たアルゼンチン人は、注目されていた。この若き指揮官は、スペインをけん引する名門をどういうチームにするのか。どんな采配をするのか。そして母国を世界王者に導いたように、クラブレベルでも大きな成功をおさめられるのか。

エルポソ・ムルシアは全国リーグが始まった1989年から今日に至るまで、常に強豪だ。リーグ制覇5回、スペインカップ4回、そしてコパ・デル・レイ2回とその実績はまさに名門と呼ぶにふさわしい。同国のビッククラブ、インテルとの対戦は「エル・クラシコ(伝統の一戦)」と呼ばれる。フットボールにおいてレアル・マドリードとバルセロナの対戦カードを形容するお馴染のフレーズは、フットサルではバルセロナのフットサル部門ではなく、このスポーツをリーグ開幕時からリードしてきた2チームの直接対決で使われる。

そんな盟主を指揮するのが、ディエゴ・グストシィだ。現役時代はアルゼンチン代表のフィクソとして、2004、2008年のワールドカップなど80試合に出場し、クラブではイタリアのペスカーラ、モンテシルヴァーノ、スペインでは元日本代表監督ミゲル・ロドリゴが率いたセゴビアでプレーした。屈強なディフェンスでチームを支えるリーダーだった。

現役引退後の2013年から、1994年から務めていたフェルナンド・ララニャガの後を継ぎ、アルゼンチン代表監督に就任する。アルゼンチンはそれまで強豪国ではあったが、タイトルを継続的に勝ち取るという勝負強さがなかった。その体質は新監督と共に変わっていく。2014年にネーションズカップ、コンチネンタルカップ、2015年に南米選手権と次々にタイトルを手にすると、2016年ワールドカップでは準決勝でポルトガル、決勝ではロシアを破り、FIFAが主催するようになってからブラジルとスペインが独占していた王座を勝ち取り、史上3ヵ国目の世界王者となった。2013年から強化を進め、親善試合や国際大会で勝負強さをつけるというプロジェクトを遂行させたディエゴ・グストシィが、最大の主役となった。

ディエゴ・グストシィが次に選んだ挑戦は、エルポソだった。2001-2002シーズンから指揮をとり、実に17シーズン、チームを率いていたドゥダの後を引き継ぐことになった。エルポソは2009-2010シーズン以来、リーグタイトルを手にしていない。世界王者という実績を持つ若き指揮官には、大きな期待が寄せられた。

ディエゴ・グストシィは、チームに熱を伝播させる。2018-2019シーズン、テレビ中継が入ったセゴビアとのホームゲームではそのタイムアウトが話題となった。彼は低調なパフォーマンスの選手たちに「君たちはこれで勝ちたいのか? 君たちはこれで勝ちたいのか?」「(プレーの強度)100パーセントでトレーニングをやるのは、試合で70パーセント、いや30パーセントでプレーするためか?」とまくし立てた。彼の信条を示す象徴的なシーンだった。

アルゼンチン人指揮官に率いられたチームは、スペインカップ決勝、またプレーオフ決勝に進出した。だが、惜しくも両方のファイナルでバルセロナに破れた。一方で、バルセロナは国内3冠を達成した。

就任初年度でタイトルは勝ち取れなかった。だが、ディエゴ・グストシィは、ムルシアの心をわしづかみにした。その証左に来シーズンのエルポソの年間シートのキャンペーンのスローガンは「パッション」だ。アルゼンチン人指揮官の情熱に包まれた盟主の王座奪還への歩みは止まらない。

 

 

座間健司(ざま・けんじ)
1980年7月25日生まれ、東京都出身。2002年、東海大学文学部在学中からバイトとして『フットサルマガジンピヴォ!』の編集を務め、卒業後、そのまま『フットサルマガジンピヴォ!』編集部に入社。2004年夏に渡西し、スペインを中心に世界のフットサルを追っている。2011年”フットサルマガジンピヴォ!”休刊。2012年よりフットサルを中心にフリーライター、フォトグラファーとして活動を始める。FIFAフットサルワールドカップ4大会、UEFAフットサル選手権5大会を現地取材。

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