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現在世界最高の選手リカルジーニョは、フットサル史上最高の選手か?(前編)

ポルトガル代表リカルジーニョは、リーガ5連覇、欧州連覇などインテルのクラブ史上2度目の黄金期をけん引した。

 

▼クラブだけなく代表でも結果を残す
今現在、フットサルのアイコンと言えば、リカルジーニョだ。

ポータルサイト『フットサルプラネット』は、各国記者らの投票で「世界最優秀選手」を毎年1人ずつ選出する。2000年に創設されたこの“フットサルのバロンドール”を、小柄なポルトガル人は6度も受賞している。2013年の夏に名古屋オーシャンズからスペイン盟主インテルに移籍してからは、5年連続だ。リカルジーニョが個人タイトルを独占する間に、インテルもリーグタイトルを独り占めした。彼が加入したシーズンに6季ぶりにリーグ王座を奪還すると、2017-2018シーズンまでに5連覇を達成。シュマイケル、ダニエル、マルキーニョらを擁し、2001-2002シーズンから4連覇なし遂げたチームに続く2度目の黄金期を築いた。またこの間に欧州王者を決めるUEFAフットサルカップも連覇した。この世の春を謳歌したチームの中心には、リカルジーニョがいた。

成功は、クラブレベルだけではない。スロベニアで開催された2018年欧州選手権では、大会得点王となり、母国を欧州王者に導いた。試合でいくらスタンドを沸かしても、大会最終日には個人タイトルのトロフィーを受け取った後は、隣国のスペイン、もしくは二重国籍のブラジル人が多いイタリアの優勝を目にするのが常だったが、ついに代表でもメジャータイトルを獲得した。

実績は、文句のつけようがない。ただリカルジーニョを語る時に、その棚に飾られたトロフィーの数を口にする人は、まずいないだろう。人々が真っ先に口にするのは、そのプレーだ。インテルでもポルトガル代表でも10番をつける稀代のアタッカーは、高度なスキルをベースにした文字どおりのマジックで人々を虜にする。ヒールリフト、エラシコ、股抜き、オーバーヘッド、無回転シュート。具体的には2007年欧州選手権準決勝スペイン戦でのオーバーヘッド、2012年ワールドカップのイタリア戦でのアクロバティックなシュート、2016年欧州選手権準決勝スペイン戦のヒールリフトでディフェンスを抜いた後の豪快なシュート、2017年スペインリーグ・プレーオフ決勝最終節で優勝を決めた股抜き突破からのゴールなどスタンドにいた人にとって一生に記憶に留まるゴールを両手で数え切れないくらい決めている。

 

2016年欧州選手権セルビア戦でのリカルジーニョのゴラッソは、世界を感嘆させた。

 

▼会場の雰囲気をワンプレーで一変させた
中でも2016年欧州選手権のグループリーグ・セルビア戦での得点は、語り草となっている。敵意があっという間に尊敬に変わった。約1万2000人満員のスタンドが母国を応援する絶対的なアウェーゲームだった。前半15分、1点を追うポルトガルのリカルジーニョは、左サイドで緩急をつけたドリブルで仕掛ける。そしてゴールまであと約12メートルというところで、ゆっくりゆっくりボールを前に運ぶ。ディフェンスはうかつに足を出せない。スタンドからは多くの野次がリカルジーニョに浴びせられた。するともう我慢ならなかったのだろう。ディフェンスが眼前にあるボールに足を伸ばした。リアクションは素早かった。小柄なポルトガル人は利き足の裏で操っていたボールを自分に引き寄せると同時に浮かし、錯乱したディフェンスと身体を入れ替え、落ちてきたボールがバウンドしたところをカバーに入ったディフェンスよりも先にハーフボレーで叩き込んだ。その間約10秒、罵声がどよめきとなり、感嘆し、最終的には拍手と「ブラボー」と掛け声が飛ぶほど会場は、称賛に包まれた。母国が失点したはずなのだが、誰もが歴史に残るスペクタクルなプレーを目にできて、幸せそうだった。

フットサルを初めて観戦する人、無邪気な子どもでも、コート上のリカルジーニョを目にすれば、その獲得したタイトル数に関係なく「誰が最もうまいのか?」気づくはずだ。ボールタッチだけで、観衆にシンプルにわかりやすくこのスポーツの魅力を伝えられるのが、リカルジーニョだ。フットサルの歴史において、確実に名を残す選手であることは間違いない。

だが、彼はフットサル史上最高の選手なのだろうか。

 

(つづく)

 

動画:リカルジーニョの2016-2017シーズン・スペインリーグのベストゴール

動画:リカルジーニョの2016年欧州選手権セルビア戦でのゴラッソ

動画:リカルジーニョの2016年欧州選手権スペイン戦でのゴラッソ

座間健司(ざま・けんじ)
1980年7月25日生まれ、東京都出身。2002年、東海大学文学部在学中からバイトとして『フットサルマガジンピヴォ!』の編集を務め、卒業後、そのまま『フットサルマガジンピヴォ!』編集部に入社。2004年夏に渡西し、スペインを中心に世界のフットサルを追っている。2011年”フットサルマガジンピヴォ!”休刊。2012年よりフットサルを中心にフリーライター、フォトグラファーとして活動を始める。FIFAフットサルワールドカップ4大会、UEFAフットサル選手権5大会を現地取材。

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