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『アジアの得点王』となった清水和也、譲れなかった目標とは【AFCフットサルクラブ選手権】

AFCフットサルクラブ選手権タイ2019、清水和也は期限付き移籍をしたタイ・ソンナムで6試合を戦った。そして、清水はアジアの得点王となった。

 

▼アジアの得点王、清水和也

「密度が濃すぎる。本当に充実した2週間でしたね」

ベトナム王者のタイ・ソンナムへ期限付き移籍し、AFCフットサルクラブ選手権タイ2019に出場した日本代表FP清水和也は、3位決定戦が終わった直後にそう言って笑った。

高校3年生でFリーグデビューを果たし、一気に日本フットサル界の顔的存在にまで駆け上がったシンデレラボーイにとっても、助っ人外国籍選手として戦った6試合は刺激に満ちたものだった。

AGMK FC (ウズベキスタン)との3位決定戦を振り返るだけでも、そこには数々のドラマがある。

立ち上がり、タイ・ソンナムは自分たちのキックオフでゲームを始めたにもかかわらず、底辺でボールを失い、わずか15秒で失点を喫した。さらに2分にも相手のコーナーキックに対して守備の連携ミスが生じて2失点目を喫してしまう。

自身がピッチに立っていた時間帯に許した2ゴールに清水は責任を感じていた。この時、得点ランキングで清水は通算7得点を挙げて、名古屋オーシャンズの元ブラジル代表FPペピータ、メス・サンガンのイラン代表FPジャビッドと並んでいた。チームメートたちは「おまえに得点王を取らせる」と、なんとか12番にボールを集めようとしたことも、立ち上がりで2点のビハインドを背負う要因の一つだった。

それでもなかなか歯車がかみ合わなかったチームに、反撃に出る勢いを付けたのは清水だ。前半5分、右サイドで相手を背負いボールを受けた清水は、反転しながら右足を振り抜く。低い弾道の強烈なシュートはAGMK FCのゴールを守るウズベキスタン代表GKウマノフの壁を破った。

ゲームは激しい点の取り合いとなり、後半8分には清水のパスからタイ・ソンナムにゴールが決まり、4-3と逆転に成功する。しかし同14分には、AGMKにセットプレーから同点ゴールを決められ、4-4の振り出しに戻された。

ここで結果を残せるか、残せないか。真価が問われる場面を迎えた清水は、圧巻のプレーを見せる。

敵陣でキックインを得て、相手のマークが甘くなったところ右足のシュートをゴール右上隅に突き刺して、再びリードをもたらした。その後、相手がパワープレーで反撃に出てくるなか、パワープレーの守備要員として起用されていた清水はカウンターのチャンスを得る。左サイドでボールを持ち、反転でドリブルを仕掛けた際に後ろから相手に足を刈られて倒された。相手の危険極まりないプレーに清水が抗議しようとすると、軽い乱闘騒ぎになった。

熱のある戦いを繰り広げながらも、清水の頭のなかは冷静に保たれていた。試合終了まで残り10秒。ゴールクリアランスを得たタイ・ソンナムは、ゴレイロがボールを高く高く投げた。落下したボールをキープすれば、試合は終わる。そんななか、最前線で相手とのポジション争いに勝った清水はボールを胸でトラップ。そして、ボールから目を離すことなく頭でコントロールして反転し、右足のボレーシュートに持ち込んだ。アジア屈指のGKウマノフも見送ることしかできなかったシュートで、清水は自身の大会通算ゴール数を10得点まで伸ばした。

3位決定戦に勝つことは、絶対に譲れない目標だった。グループステージ3試合、準々決勝と全試合でゴールを挙げ、チームの勝利に貢献してきた清水だったが、準決勝の名古屋戦では相手に抑えられてノーゴールに終わり、チームも1-3で敗れていた。

「名古屋戦で非常に悔しい思いをしました。このチームで初めてチームに貢献できなかったという思いが強かったので、どうしても取り返したかった。3位になれたことはすごくよかったです」

その後に行われた決勝戦、ペピータ、ジャビッドはともにノーゴールで大会を終え、清水は大会得点王に輝いている。

「今日もたくさんのシュートを外しましたが、良かったところも多くて。必ずボールが来ると信じられましたし、点を取れる確信もありました。成長にはつなげられたと思います。チームに貢献できたことは自信になりますが、決勝戦に行けなかった悔しさはありますね」

AFC主催の大会で、大きく成長した姿を見せつけた清水は、再びその成長を促進させたスペインへと戻って行った。スペインでの2シーズン目、そして日本代表として戦うであろうAFCフットサル選手権やFIFAフットサルワールドカップで、どんなプレーを見せてくれるか。見ているものからすると、その期待値がさらに膨れ上がった大会になった。

 

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

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