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『F2・オリジナル8』のホームゲームをすべて取材しわかった、フットサル”らしくない”良さとは?【コラム】

(PHOTO,TEXT・佐藤功)

すべての始まりは昨年の2018年6月30日、横浜の平沼記念体育館から始まった。そこから同じ関東に居を構える柏、北信越の両雄である長野と白山、瀬戸内海に面した神戸と広島、日本海が見える浜田と北九州へと旅は続く。そして気が付けば『F2・オリジナル8』すべての地を巡っていた。

F2が誕生する。それは昨年のFリーグ最大のニュースだった。だが、F1で動員数1,000人以下もある現状でF2?という疑問は確かにあった。まず大前提として、F2は2部リーグである。強くなればなるほど、1部へ昇格しそこからいなくなる。その代わりに、1部で勝てなかった者が降格をしてくる。仕組み上、F2はF1を超えることができない宿命にある。この永遠と付きまとうネガティブなイメージが、人気にどう影響するのかという不安があった。

だがF2が始まった瞬間に、その不安は心の中から消えた。F2が誕生した日、長野では818人の観衆が集まり、同日に同じ北信越である白山には817人が集った。誕生したその日から、1,000人の壁が目の前に見えていたからだ。そして最初に動員数1,000人を越えたのは、北九州だった。続いて長野と白山もF2初年度で動員数1,000人越え。2年目である今年、1,000の壁を越えた神戸と北九州は、その週にあったF1を越える動員数も記録した。発足から1年をかけ、半数の4クラブがひとつの壁を乗り越えた。

でも、だからと言ってフットサルが人気なのかと言えば少し違う。それはF2のフットサル”らしくない”世界観がそう思わせる。F2には、いわゆる鳴り物がないクラブがいくつか存在する。音量は少ない、でも熱量は多い。それは、ゴールが決まった瞬間にアリーナが壊れそうなほどの歓声でわかる。静かな時は点を獲ろうとしている姿、点を獲られないようにしている姿に見入って、声を出すことを忘れているだけだった。彼らはフットサルはこうあるべきだという枠に捕らわれていない、独自の応援スタイルを確立している。

このフットサル”らしくない”存在はもうひとつある。試合会場では、F1でよく見かける取材陣は誰もいないことがほとんどだ。だが、取材をしている人は自分ひとりではない。ある日の長野のホワイトリングは圧巻だった。会見場には地元の新聞、地元のラジオ、地元のテレビ局がいた。しかもそれが1回だけではない、ホワイトリングに行った時には必ず見る光景だった。そして白山も負けてはいない。同じく石川の新聞社もいれば、地上波のローカル局のテレビカメラもあった。同じく、北九州にもテレビカメラがあり、アナウンサーもいた。

でも、ただ地元にあるからというだけではない。それぞれのクラブが、アリーナの外で活動が実っている証である。ボルクバレットもボアルースも、ヴィンセドールはフットサルという閉じられた世界以上に、地元では知名度がある。その結果として、この3クラブが初年度に1,000人を達成したことに現れていた。

F2はまだまだ試行錯誤の段階にいる。フットサルの厳しい現状を考えると、決して油断はできない。でもそのことが逆に、フットサルに頼り切らない姿勢につながっている。フットサル”らしくない”F2は、フットサルの外にいる人たちにも支えられている。その人たちが観ているものはフットサルではなく、40分間戦い続ける人の生き様である。競技じゃなくて、人に惚れている。そして競技ではなく、人を盛り上げようとしている。フットサルはこうあるべきという枠に捕らわれていないF2は、実はスポーツはこうあるべきと訴えている。


佐藤功(さとう・いさお)

岡山県出身。『横浜本牧フットボールマニアックス』主筆。大学卒業後、英国に1年留学。帰国後、古着屋勤務、専門学校を経てライター兼編集に転身。各種異なる業界の媒体を経てサッカー界にたどり着く。

 

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