ピヴォ×みんサル

森岡薫と星翔太、ワールドカップ経験者の得点に込められた意味とは?

武田テバオーシャンアリーナで行われたタイ代表との国際親善試合。チームを勝利に導いたのは、2人のワールドカップ経験者だった。森岡薫と星翔太、2人のスペシャリストはワールドカップへ向けてチームも導いていた。

 

▼スペシャリストの2人

タイ代表との国際親善試合第2戦、初戦でタイに9年ぶりの黒星を喫した日本代表に、ゴールをもたらしたのは、ワールドカップに出場した経験を持つ2人のピヴォだった。

FP森岡薫、そしてFP星翔太。サッカーの元日本代表FWであり、現在も横浜FCで現役を続けている三浦知良も参戦した2012年にタイで開催されたフットサル・ワールドカップに出場した2人は、あれから7年が過ぎた今も、日本代表で絶対的なピヴォとして君臨している。

前半4分に森岡が直接FKから放ったシュートが壁に当たり、先制ゴールを呼び込むと、1-1で迎えた試合終盤には、星がゴール前で2ゴールを奪取。3-1の勝利を呼び込んだ。

ピヴォというのは特殊なポジションだ。3-1の布陣では最前線に入り、相手のゴールに最も近い位置でプレーする。点を求められることが多いが、同時にゴールに背中を向けてプレーする時間も長い。後方の味方から送られてくるボールを収め、相手陣内の深部で攻撃の基準点をつくることがゴール同様に求められるからだ。

ブルーノ・ガルシア監督はタイ代表との第2戦後、この特殊なポジションでプレーする2人のベテランについて「スペシャリスト」という表現を使い、日本の全ゴールを挙げた2人のピヴォを称賛した。

「フットサルは、バスケットボールやハンドボールに近い側面があり、非常に専門職的なポジションにいる選手が際立ちます。高い専門性で、特殊な力を持った選手が活躍する場が、このチームにはあります。星翔太と森岡薫の2人は、求めている役割をゲームのなかで完遂してくれましたので、非常に高い評価ができると思います」

どれだけチャンスをつくっても、それをモノにできなければ勝利することはできない。最もプレッシャーのかかるシュートを決めるという作業は、フットサルで最も難しい仕事だ。

タイとの2試合でともに先発出場し、AFCフットサルクラブ選手権タイ2019でも、ピヴォとして名古屋オーシャンズの4度目のアジア制覇に貢献した星は、「自分に足りないものは、ゴールだと思って練習している」と、自己分析した。そして、「第1戦ではシュートを1本しか打っていないし、得点力も出せなかった。自分に常に足りないものとして認識していますし、真摯に受け止めてやり続けないといけないと強く思っていたなかで結果が出たので、少し良かったなと思います」と、2ゴールという結果に満足感を示した。

森岡について、ブルーノ監督は「以前のように20分、25分、出場することは望むべくではありません」と言い、今後も短時間でのプレー時間しか与えない考えでいることを明かした。出場時間が短くなれば、それだけゴールを挙げることは難しくなる。だが、以前よりも負傷が増えている40歳の森岡にとって、限られた時間ですべてを出し切ることができる状況が与えられることは、決して悪いことではないだろう。

第1戦の敗戦後、誰よりもタイに敗れた悔しさをストレートに表現していた森岡は、「限られた時間のなかで結果を残すことによって代表にいることができる資格が与えられるというか。代表にいるためには、結果を出さないといけない。初戦も決められるチャンスで決められなかった責任は強く感じていました。ここで決めることができて、少しスッキリできた」と、安堵した。

10月に行われるAFCフットサル選手権トルクメニスタン2020の東アジア予選から始まる一連の戦いは、3年前にW杯予選で敗退した日本を、「本来いるべき場所に戻す戦い」でもある。ピヴォには、AFCフットサルクラブ選手権タイ2019で10得点を挙げ、大会得点王にも輝いたエルポソのFP清水和也も選出されるだろう。だが、W杯予選は初の経験となる22歳以上に、星は3度目、森岡は2度目となるW杯予選を迎える2人のベテランには、水先案内人として、より力を発揮することが求められる。

「お互いに、あまりそういう話はしないけど、それは間違いなく2人ともが思っていること。唯一、このチームでW杯を経験している2人ですし、若い選手たちを勢い付ける形を見せなければいけなかった。そういう意味でも良かったと思います」と、森岡はタイとの2連戦が、いよいよ始まるブルーノ・ジャパンの集大成ともいえる戦いを前に、良い予行になったと振り返った。

2人にとって、おそらく今回がキャリアで最後のW杯予選となるはず。再び世界への扉を開き、後進に道をつくれるか。彼らのキャリアにとっても最も重要な数カ月が、いよいよ始まる。

 

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

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