ピヴォ×みんサル

残り14秒の逆転。FC NAKAIが勝利をつかんだ理由とは?【全日本フットサル選手権】

第25回全日本フットサル選手権の東京都予選、都4部のFC NAKAIが都1部のNeoに逆転勝利をした。残り14秒の逆転劇は、昨季F2・MVPのポジションチェンジから始まっていた。

 

▼残り14秒の逆転

第25回全日本フットサル選手権の東京都予選で旋風を巻き起こしているチームがある。昨シーズンまでペスカドーラ町田に所属していたFP中井健介が立ち上げたFC NAKAIだ。エントリーリーグ(都4部)に所属ながら、初めて決勝大会進出を果たすと、23日の1回戦では東京都1部リーグのNeoと対戦した。

FC NAKAIは前半終了間際、Neoに先制点を許す展開となる。この選手権でFC NAKAIが先制点を与えたのは初めてであり、NeoのFP小坂雅和も「ここまでFC NAKAIは全試合、先制点を取って勢いに乗っていたんです。こちらが先制できれば、絶対に今まで公式戦で感じたことのないメンタル状態になり、そこで崩れると思った」と、話している。

この全日本フットサル選手権限定で活動している彼らは、試合に敗れれば、その活動が終わる。それだけに他クラブよりも、大きなプレッシャーを感じていそうだが、そんな状況を楽しんでいた選手がいた。昨季、Fリーグ・ディビジョン2のMVPに輝いていたFP石関聖だ。

チームのコーチも兼任する彼は、ほとんどの時間でピッチに立ちながら、選手たちに指示も出す。この試合のハーフタイムには、「最高の状況じゃないか!」と伝えたという。

「ゲーム内容で言えば、前半から勝っていたと思います。だから、ハーフタイムにも『逆転すればいいんだから、最高の状況だよ! 結果的にこの20分は負けているけど、内容は負けていない。オレは次の20分で勝つことしか考えていない。内容も勝っている。あとは決めるだけだ』と言いました」

スタートからフィクソの位置に入った石関は、相手が縦に入れてくるパスを何度もカットし、持ち前のテクニックを生かしてチャンスをつくっていた。その個の力は際立っていたが、同時に疲労の蓄積が他の選手より早くなることも、想像に難くないプレーぶりだった。

実際に石関は後半途中で一度、数分間ベンチに下がっている。この時ベンチでは入念にストレッチし、コールドスプレーで冷やしていた。限界が近付いていることは明白だった。石関がピッチに戻ると、今度は中井がフィクソに下がり、石関はピヴォに入った。足に違和感がある状態で最後尾でのプレーを続けるのはリスクが高かったこともあるが、それ以上に攻撃面でメリットが出た。石関がピヴォに入ったことで、ボールが圧倒的に収まったのだ。

前線でボールが集まることで、Neoは全体が下がらざるを得なくなった。このポジション変更を機に、FC NAKAIは高い位置でプレーができるようになり、持ち味の強度の高いプレスが生きるようになる。Neoの小坂は「2つとも自分たちのミスでしたね。結構、それも警戒していたんです。定位置攻撃で崩されるというよりは、トランジションを拾われて2失点を喫してしまって。相手の狙い通りだったかなと思います」と悔しがったが、カウンターの形から中井が残り14秒での決勝点を含む2点を決め、逆転勝利したのだった。

チームを勝利に導く活躍を見せた石関は「思いの強さで勝った」と、試合を総括した。

「Neoは、『フットサルにすごく真摯に向き合っているチーム』『良いチームだよ』と、いろいろな人から聞いていました。そういう相手との試合になると、最後は思いが強いほうが勝つなと思っていたんです。そうしたら、まさにそういう試合になりました」

1回戦を勝ち抜いたFC NAKAI。彼らのFの頂を目指す戦いは、まだ続くこととなった。2回戦の対戦相手は関東2部リーグに所属する府中アスレティックFCサテライトだ。

石関は「良い選手、うまい選手、トップ登録された経験のある選手もいますからね。僕らにとって簡単な試合はもう絶対にないし、何ならもう負けてもおかしくない次元になっています。ここからはもう分からない」と、警戒心を強める。30日、駒沢に舞台を移す2回戦は、どんな試合になるのか。この日のドラマを目撃した者は、次の試合が待ち遠しいはずだ。

 

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

コメント

みんサル

個サルを検索する ひとりでも参加できる個サルやイベントに行ってみよう!

大会にエントリーする 仲間や友達を集めてフットサル大会に参加しよう!

全国のフットサル施設 全国のフットサル施設からお気に入りの場所を探そう!

RANKING

Special Thanks

  • ベストパートナー
  • ボアスコンプラス