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選手をやる意味は?厳しさを求める岡崎チアゴのいるFリーグ、フットサルの現実【コラム】

PHOTO,TEXT・佐藤功

岡崎チアゴは神戸という土地を愛している。それでもデウソン神戸を退団する決断をした。2018年3月17日、デウソン神戸選手主催のファン感謝祭後、現実を客観視できる男がいた。

▼他人に優しく、自分に厳しく

デウソン神戸を退団した岡崎チアゴは、「エリートではない」と自己分析をしている。その理由は、「個サルとか、知り合いと蹴っていたような人間」ということ。そこに彼の持つハングリーさが加わる。

「心肺能力が上がるかなと思って」。

マスクを着けてトレーニングをしたこともある。思いついたことは、まずやってみる性分だ。伊豆から東京まで練習に通った過去もある。そうやって彼はこの世界を戦ってきた。他者を気にしていない。自分のため、自分の成長のために戦っている。だからだろうか、川那部の引退についてさらっと「全然あり」と言った。岡崎チアゴは母国ブラジルのことを話し始める。苦しい生活を目にしてきた経験が、生きるための現実を優先することになんら疑問を持っていなかった。そして、こうも言った。

「大人が作ってきたわけでしょ。それなのに大人から、ゆとり世代って言われてしまう。若者も被害者だなと思う」。

岡崎は自分には厳しい、だが他人には優しい。それは、「人が好き」という自己分析が由縁である。その「人が好き」という気持ちが、岡崎のもうひとつの顔である。

「ウチのチームメイトよりうまいかもしれない」。子供たちのことを話す岡崎チアゴの頬が緩む。「神戸にいるために」岡崎はスクールを作っていた。

「保育に興味があるんですよね。自分が今までやってきたこととプラスアルファで、どうやったら運動能力が上がるのか勉強をしたい」

『保育』という言葉を使った、育成ではない。そして子供たちに伝えていることは、技術ではない。

「ひとりだけ前に残してその子が決めて勝つのと、負けても信念の下にみんなで戦う。そのどっちが子供たちの将来、18歳や22歳になって就職した時に残っているのか」。

『就職した時』という言葉を使った、選手になった時ではない。彼はフットサル以上に、子供たちの将来のためをスクールで伝えている。岡崎は、指導者ではない、教育者である。そして、岡崎「選手第一とあんまり考えていない」と競技者ではない面を持つ。

「スクール生にとってプラスかマイナスかを考えている」。

「選手をやる意味ってなんですか?」という答えは、競技者としてではなく、人として生きている証でもあった。そして、退団をしても、この神戸にあるスクールを守り続ける意思を持っている。

▼さらに厳しい世界へ

人を愛し、神戸を愛する者に、あの2018年1月18日がやってくる。

「グリーンアリーナ神戸がいっぱいになったこととか、そこでプレーしたことや、スクール生のこととかフラッシュバックのように流れてきた」

デウソン神戸、F2降格。順位ではなく、経営状態による降格である。その報を受けた岡崎の胸中には寂しさがあった。

「落ちることに対してよりも、できることがいっぱいあったんじゃないかなと。手を取り合ってやれなかった寂しさがある」。

彼らは知っていた、クラブの経営状態が悪いことは。それは環境面、減少する観客動員などその場にいれば自然とわかる。だからこそ、神戸の選手たちはできる限りのことをしていた。

「試合の前に、選手全員で子供たちの試合をやったことがあるんですよね。そのまま、その子供たちの試合を観た親御さんと一緒に、Fリーグの試合も観てもらえるかなと思って」。

「来てくださいじゃなくて、直接呼び込む」と動いていた。他にもスポンサー獲得に関するアイデアも持っている。「お金がなかったら作るしかない」、だが「選手は入れない」ところに当たってしまう。どうしても、クラブでしかできないこともある。スタッフのようなことまでしている岡崎は、環境を変えることを望んでいる。それは、さらに厳しい世界にするためである。

「クラブが潤えばそこから競争が生まれる」。

全選手に最低賃金を与える。そこから先、収入の格差が生じる。すべてを総合判断し決定した収入は全選手のランキングとなり、金銭という欲による競争がそこに発生する。現在、一部のトッププレーヤのみがプレー対する対価を受け取っている。だが、岡崎は上ではなく、下を見ている。その収入を受け取っていない層が対価を手にすることで全体の底上げ、それが強化と捉えている。

「選手が一番稼げるからなりたがる」。

岡崎の母国であるブラジルはそうして強くなっていった。弱肉強食のスポーツの世界は、受け入れるのではなく拒むものである。給与が発生しているところでは、0円掲示という形で戦力外通告が行われる。続けたくても止めなければいけないことがほとんどである。だが、実現していない現状に対し岡崎はこう言った。

「現実に向き合うのを遅らせている」。

選手を続けていることはそういうことでもある。そして選手生活後何をするのか、その現実にも向き合わないといけない。選手寿命は短い。20代半ばでの戦力外も珍しくない、それがプロの世界。クラブはプロを目指している。それは金銭的なものではなく、その厳しい生存競争の意識を目指している。

▼現実と向き合う時

だが、それを目指す途中で現実と向き合う時が来てしまった。夢を目指しスタートしたFリーグ。その中にいるデウソン神戸は、厳しい現実に直面した。それはデウソン神戸がそうだった、ということではない。他のクラブにも起こりうることであり、リーグそのものにも起こりうることでもある。

「今までの常識でやっていてはダメだと思う。すべてを変えるぐらいでやらないと。そのやる気を見せてほしい。選手もクラブも、もっと言えばリーグも」。

岡崎の退団理由はそこにあった。モチベーションの高さを求めている。

夢は時に現実に壊されてしまう。その現実が今襲ってきた。今は夢を語るよりも、目の前にある現実と向き合わなければいけない。

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