ピヴォ×みんサル

『デウソンの下部組織の子がヴィッセル神戸に入ってほしい』育成現場から見たフットサルとサッカーとの関係(山本尚希×加藤諒典)【2/3】


 

※過去記事
U-15とU-18の違いは?ふたりの指導者のそれぞれの育成論(山本尚希・デウソン神戸×加藤諒典・クラーク記念国際高等学校)【1/3】

 

2018年10月17日、神戸
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

ボールを蹴ることが禁じられている公園がある。その現代において、フットサルはどのように発展をしていくのか。そしてサッカーとの関係性は。クラーク記念国際高等学校の加藤諒典さんとデウソン神戸の山本尚希さんが、子供たちの今について語り合う。(2018年10月17日収録)

 

▼大人たちが作ったイメージ

――今現在、フットサルをやろうという子供たちは増えていますか。

山本 増えています、体感ですけど。

加藤 多いですよね。

山本 耳に入りやすい、目に入りやすい、自分たちの中にすっと入っていくスポーツに少しずつなっているのかなと思いますよ。もちろん僕らよりも先駆者の人たちが長い時間携わっている人たちからすれば、何を言ってんねんと思うかもしれないけど、僕たちが関わっている時間の中では変化を感じていますね。

加藤 メッシやネイマールがフットサルをやっていましたとか情報が入ってきて、保護者もフットサルというスポーツを知って、実際にやらせてみて子供が楽しそうにプレーしていたとかで、馴染みやすくなってるんじゃないんですかね。特に小さい年代は。

山本 小さい子に関しては、フットボールでいいんじゃないですか。ボールに触れる、相手がいる、ゴールがどっちかとか。概念が何であるかということがその子たちがわかって、そこからどう派生していくかなんで、体を動かす運動から入ればいいと思いますよ、今子供たちは運動能力は落ちてますから。足では蹴れるけど手では投げれないとか、走れるけどジャンプできないとか、体のコーディネーション能力が低いと感じますね。

加藤 投げれない子とか本当にいますよね。やってきていないんで、投げ方のフォームを知らないんですよ。それはどうなのかなと思いますね。フットサルをやっていく上でも直接的には関係ないかもしれないですけど、ちょっとした体の使い方とか関係ありますし。僕らの世代は野球でもバスケでも感覚的にできるんですけど、感覚的にできない子が多いのかなと思いますね。いろんなスポーツをまんべんなくやっていないんですよね。

山本 今、公園でボール遊びができないのも関係していますよね。学校の体育でしかやらないですから。

加藤 それで怪我したらどうとかなりますからね。そういう意味でバランスが良くないですね、運動能力というか自分の体の使い方を知らない子が多いのかと。

山本 鬼ごっこをしない、木に登らない、鉄棒をしないとかで、基礎体力も低いと思いますよ。今の時代だと専門性が高すぎますよね。僕らが子供の頃のスポーツ万能はたぶんいないんじゃないんですか。

加藤 何をやってもうまいヤツいましたよね。足が速くて、野球やってもサッカーやってもバスケやっても、何でもできるヤツが。今は、本当にごく稀ですね、なんでもできる子は。いろんなスポーツを経験している子の方が、フットサルの技術も吸収をしやすいと思いますよ。

――運動能力とは別で、フットサルは身長が低い子が多いような気がしますが、背が高いとフットサルは不向きなのでしょうか。

山本 そんなことはないですよ。海外を見れば、アルトゥールみたいに高身長の技術の高い選手もいっぱいいますし、ラファも技術も高い、体も強いし大きいですしね。なんでもできるようなピヴォの選手がいくらでもいます。体が大きい子がフットサルを選んでいないというよりも、体が小さい子がフットサルに来てしまっているという感じですね。Jリーグの下部組織とかクラブチームがそうなのかもしれないですけど、体格がよければサッカーで選んでもらえて次の道があるんじゃないですか。でも、小学校6年生ぐらいで体が小さいからジュニアユースに上がれなかったとかありますし。次は何をしようかという時の選択肢がフットサルなのかな、というイメージがどうしてもある。日本特有なのかなと、そういう傾向は。

加藤 小さくてちょこちょこできる子はフットサル、というイメージがあるんでしょうね。

山本 そうでしょうね。

加藤 でもそれは大人が悪いんじゃないですか。大きいからサッカー、小さいからフットサルをしてみたらと、指導者がそういう目で見ている感じで。

山本 そうですね。そういうものを作り上げていると思う。そういうアプローチからフットサルに入ってくる。体が小さくてもまだ成長過程なのでこれからの可能性がいくらでもありますけど、クラブが結果にこだわれば切らざるを得らないという判断をしてしまうのかなと。でも、体が小さい子に強いシュートを撃てとかロングボールの飛距離を出せとかフィジカル的な話をしなくてもドリブルの技術を磨くとか、大きくなって筋力が付いてから初めてシュートのことであったりフィジカル的な部分のアプローチは次の世代の監督がしてくれればいいなと思うので、今その子にあった指導ができればいいのかなと思いますね。

加藤 いいところを、できるところを伸ばしてあげるのが一番いいかなと思いますけどね。

▼フットサルもサッカーもボールを蹴る競技

山本 あんまりフットサルとかサッカーとかこだわりがないんですよね。サッカーがアタッキングサード、バイタルエリアの使い方が変わってきていると思うんですけど、それってフットサルにあるものだと思っているんですよ。ボールを運ぶスペースを空けた上でターンからシュートは、フットサルのスペースを作る、与える、抜けるが全部入っている動きだと思うんですよ。なぜそれが起こったのかと中学生や高校生の時から意図的に理解した上で自然と出せる選手が増えてくれれば、サッカー自体のレベルがもっと高くなるのかなと思うんですよね。フットサルだけではなく、サッカーも世界で勝負したいじゃないですか。僕らは子供の頃からフットサルに関わっていないし、サッカーからこっちに来ているんで、やっぱりワールドカップは獲ってほしいんですよ。

加藤 獲ってほしいですよね。

山本 そういう日本のサッカー、日本のフットボールがそうなっていくにはフットサルの力が必要だと思っているんですよ。僕が育てた子がFリーガーになることはもちろんですけど、あの時教えてくれたからサッカーでこういうことができたみたいな感じにもなってほしいんですよね。

――デウソン出身のレアル・マドリード、クラーク出身のバルセロナとかですね。

山本 そうそう。

加藤 それいいですね。

山本 こういう話をしているとフットサルに関わっているのにサッカーの話をしやがってになりがちですけど、僕は本当にデウソンの下部組織の子がヴィッセル神戸に入ってほしいんですよ。京都サンガやセレッソ大阪やガンバ大阪に入ったとか、そうであってほしいし日本のフットボールがそうなってほしい。その逆で、ヴィッセルの下部組織の子がデウソンに入るとか、選手たちの選択肢が広がってほしい。

加藤 フットサルをやってたから、今こんなプレーで沸かせますとかいいですよね。僕、駆け引きが好きなんですけど、タイミングをずらしてとかスペースを空けてとかやっている選手に「おおっ!」ってなるじゃないですか。まったく知らない人が観てすごい、って単純に思えるようなプレーをしてもらいたいなというのがありますね。観てて気持ちがいいのは1対1で抜いたりとか、すごいシュートを撃ったりとかだと思うので、そういうところにいくためにどういうトレーニングを積んだのか、フットサルでこういう勉強をしてトレーニングをしてそれがサッカーで生きているでもいいですしね。逆にサッカーで視野の広さを学んでフットサルの狭いコートに上手くもっていってこっちでも活躍できるとか、そうなってほしいですね。

山本 湘南(ベルマーレ)の小門(勇太)くんみたいにサッカーをやっていて、これだけのフィジカルがあってあれだけのシュート力があって、左利きでキープ力があってというのはまさにそうなのかなと思いますよ。

加藤 そういうのが面白いですよね、うまく融合できればいいですよね。

山本 フットサルが下だと思っていないですし、フットサルの方がすごいとかもないんですよ。そういうイメージは大人から生まれると思うので。大人のビジネスが入っちゃうというか、それはなんなんだろうなと。結局そういうものって大人から生まれるんですよ。

加藤 確かに、確かに。

山本 子供たちがどっちを楽しめるか、どっちを目指したいかというものが平等にあればいいし、選択肢の中に幅広くあればいいと思うんですよ。

加藤 子供たちは単純に上手くなりたいでいいわけですしね。

山本 別のものにしたがるんですよね。もちろん別のものだし技術的なこととか戦術的なことは全然違うんですけど、お互い応用できるわけですし。でも大人はどっちが上とか考えるんですよ。

――ボール蹴ることは一緒ですからね。Fリーグに参戦したロベルト・カルロスもそうだったと思います。

山本 ロベカルを見てサッカーの方がすごいんだじゃなくて、技術があればどっちもできるということですよね。ロナウジーニョもそうだと思いますし、ネイマールもそうだと思いますよ。サッカーがうまい人はフットサルもうまい、フットサルがうまい人もサッカーはうまい、ただそれだけの話ですよね。

加藤 フットボールがうまいですよね。たまたまサッカーに行っただけであって。

本 そういう風に物事が伝わっていっているのは大人の責任だと思います。子供たちも比べている子はいます、サッカーの方がすごいと思っている子もいます。でも、どっちがすごいとかただの大人の概念であって、子供たちにそれを課せることはないかなと。確かにクリスティアーノ・ロナウドみたいな、大豪邸に住んで超高級車に乗っているフットサル選手はいないですよね、でもフットサルに夢がないとは思わせたくないし。現実は大変ですけども、頑張らないといけない部分ですね。

『自己主張の仕方が変わってきている』時代の変化とフットサルで身に付けてほしいこと(山本尚希×加藤諒典)【3/3】)

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