ピヴォ×みんサル

『時代がフットサルに何を求めているのか?』デウソン神戸が描く未来像(武田茂広・一般社団法人神戸フットサルスポーツクラブ代表理事)【2/2】

2019年10月25日、某所
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

今、Fリーグは厳しい。そのことを肌で知っているのが、デウソン神戸である。F2降格から1年が過ぎ、新体制となった神戸は今何を考えているのか。武田茂弘・代表理事が神戸の未来を語る。(2019年10月25日収録)
→前編:『新たな価値観を生み出す』新生デウソン神戸の理念とは?

 

▼時代が何を求めているのか

――今Fリーグは動員で苦しんでいます。武田さんご自身はどういったところに問題があるとお考えでしょうか?

武田 時代がフットサルに何を求めているのかを考えないといけないと思います。フットサルの魅力は何ですかと問われた時に、競技の魅力を訴えることも大切ですが、フットサルをやっている人や関わっている人の熱い気持ちを伝え、別の魅力を訴えることも必要だと思います。強ければ観客が増えるという考えを変えるべき時期だと思います。競技を行なう以上、強いチームを目指すことは当然ですが、高い競技力=観客動員ではないということですね。

――競技の魅力で訴えるのは難しいということは、すべてのスポーツで共通していると思います。野球、サッカー、バスケとそれぞれにいいところがあってどれが優れているということはないと思いますので、競技の魅力で競う必要はないと思います。

武田 たとえば、Bリーグは派手な演出やNBA的な仕掛けで非日常的なエンターテイメントとしての魅力があります。それをフットサルが真似できるかというと、お金の問題もありますし、競技性の違いもあり一概に真似しても成功するとは限りません。

――演出がすごいという印象で先行されているBリーグの二番煎じでは難しい、ということもあると思います。

武田 私は、アリーナスポーツやスポーツアクティビティを繋げるのが面白いと思います。もっとシンプルに、アリーナでできることなら何をやってもいいという考えです。競技特性が少しでも似ていればなんでもできます。第11節では、女子ハンドボールのエキシビジョンマッチを公式戦の後に行います。ピッチサイズが同じで設営も容易ですし、ハンドボールを始めて観るフットサルファンのみなさんにも楽しんでいただけると思います。違う競技を同じアリーナで同じ日に観られる、そういう日常が普通になることは結構魅力的だと思います。私たちがちょっと考え方を変えることで、アリーナスポーツの未来、フットサルの未来は開けてくると思っています。バスケットボールやバレーボールと違いフットサルは学校体育で行われず国体種目でもありませんから、いかにしてフットサルに触れてもらいその魅力を伝えていくかが重要で、そのためには様々なアリーナスポーツとコラボすることも有意義だと考えています。

――神戸はヴィッセル神戸の試合からハシゴで見れる、アメフトの神戸ファイニーズの選手とチラシ配りなど、他競技とのつながりの強さもありました。

武田 そのような取り組みは有意義だと思います。しかし、サッカーとのハシゴ観戦企画一つを考えても試合会場も異なりますし、キックオフの時間を合わせるのも難しいなど限界があります。フットボール界が協力してできることは当然取り組むとして、加えてスポーツ全体に目を広げて、様々なスポーツをつなげていく方向を考えています。第11節で、女子ハンドボールエキシビジョンマッチと、同志社大学・神戸大学の定期戦を同日開催で行いましたが、この企画が正に第一歩です。同じフットサルだけども普段闘う場の違う大学生の試合、全く違う種目だけどもアリーナスポーツであるハンドボール、同じ日に同じ体育館でやるのはアリだよねということで実現しました。今後は、例えば同日開催で多種目の日本リーグとコラボできないかと模索しています。卓球やバスケットボール、バレーボールなどの球技をはじめ、様々な種目とコラボできたらいいですね。育成年代の子供たちにとっても、自分たちがやっている競技と違う競技を見ることはプラスになりますし。違う種目の人たちが繋がるのも素敵じゃないですか?

 

 

▼謙虚、誠実、献身

――神戸の特徴として、他のクラブなどでは積極的に個サルなどをされていますがあまり行っていません。なぜそういった戦略なのでしょうか?

武田 デウソン神戸は、若いうちから安易にスクールコーチや個サルで稼ごうという軽い意識を排除し、真面目にフットサルに取り組もうと指導しています。

フットサルは選手とファンの距離が近いのが魅力と称されることもありますが、選手誰もがそうであっていいとは思いません。しっかりとした実績を積んだ選手であれば、そうなるまでの努力が蓄積され人としての魅力も身についていますから、人にフットサルを教えることやふれあいを生業にしてもいいでしょう。しかし、ただFリーガーだからといって皆がそうするのは、フットサルのイメージダウンにもつながるように思います。デウソン神戸の選手は、日本代表もいなければF1で活躍した選手もいません。なので、選手には安易にスクールコーチや個サルはやらないように指導しています。指導を仕事とするならばライセンスを取得し、指導を学ぶこと。要は「謙虚・誠実」というクラブの家訓を大切にしているわけです。

またそれとは別の理由があります。クラブの広報戦略として『出しすぎない』ということを去年からやっています。芸能やスポーツはSNSなどでどんどん出した方がいいと言われますが、更新の回数を増やさない方が得な広報なやり方もあります。硬いところ、役所のようなしっかりとしたところはそういう手法も取っていて、そのような広報戦略を取ることで『デウソン神戸の誠実さ』をアピールしています。ツイッターは書き方としては軽めで絵文字など使いますけども、フェイスブックはクラブの公式的なものを出していますし、YouTubeのチャンネルもクラブで管理しています。もちろん人間味や若い選手の素顔を出してやろうとしていますが、砕けすぎない、ふざけている、軽いという印象は出さないようにしています。また選手個人の発信もあまり効果はありませんので、SNS使用のトラブルを避ける意味も含めクラブで管理しています。

――今地盤固めをしている段階ですが、将来的な展望はいかがでしょうか?

武田 トップチームとしては3年後にF1に戻ることが目標です。神戸フットサルスポーツクラブとしてはトップチームが強いか弱いかはこだわってませんが、Fリーグのクラブですので勝つ努力をする、上位を目指す、そこを踏み外さないことは大事です。3年後に戻る、そのために実力を上げる。トレーニングは激しく努力をしてもらっています。そこにトップチームを中核としたしっかりとした育成強化のピラミッドを作ります。それでフットサルクラブとしての確固たる軸を作る。今までそこがなかったので、そこが低迷をした理由のひとつだと思います。しっかりとした育成組織は、トップチームを支える基盤であり、子供たちの育成を通じて地域と密接に連携する環境を作ることもできます。

神戸フットサルスポーツクラブとしては、地域に根差した総合型地域スポーツクラブを目指します。地域貢献活動をどんどん増やしていきます。町会の盆踊りでも構いませんし、清掃活動でも構いません。また、いろんな種目のスポーツの教室も開催していきます。地域のおじいちゃん、おばあちゃんに、フットサルをしている元気で礼儀正しいお兄ちゃんたちの力を活用していただく。地域の子供たちに、フットサルに真剣に取り組んでいて、カッコいい選手たちと触れ合っていただく。そういう中で、フットサルを身近に感じてもらえるようにしていきたい。お母さんが子供に「デウソン神戸のフットサルのお兄ちゃんみたいな人になりなさい!礼儀正しいし身体は強いし」なんて言ってもらえるようになりたいですね。フットサルだけでなく、様々なスポーツや文化活動も広げて、神戸フットサルスポーツクラブが地域で唯一無二の存在になり、スポーツで地域社会に貢献したい。めちゃくちゃ壮大な夢ですが、夢を実現するためにひたすら頑張るしかないですね。

クラブ経営するためにはお金が必要です。でも今は、大口のスポンサーを探してポンと出してくれる世の中ではない。地域を大切にし、お客様を大切にし、誠実に献身的に活動するなかで、デウソン神戸を、神戸フットサルスポーツクラブを応援してくださる方を地道に開拓していく。私たちにはそれしかできません。私自身は、フットサルが好きで、フットサルの未来をなんとかしたいというのが最大のモチベーションです。その思いに共感し日々必死に努力してくれる選手、スタッフと共に、デウソン神戸再建を必ず成し遂げます。

 

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