有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、WEBマガジン「デジタルピヴォ!プラス」からの記事を転載させていただきます。
何よりも勝って、若い選手が入りたいって思ってくれるチームづくりをしたい!(ポルセイド浜田・山本尚希監督)[F2第10節](デジタルピヴォ!プラス)
2019年11月3日 柏市湘南体育館
(PHOTO,TEXT・山下浩正)
DUARIG Fリーグ2019/2020 ディビジョン2 第10節
トルエーラ柏 4-2 ポルセイド浜田
観客数:420人
[得点経過]
1-0 08分36秒 柏 14 柴田祐輔
1-1 13分26秒 浜田 10 橋岡翔大
1-2 14分53秒 浜田 9 布田有祐
2-2 18分41秒 柏 8 永野雅也
3-2 24分37秒 柏 13 チーニョ
4-2 25分16秒 柏 9 樋口岳志
2015年から2季、F1・神戸を指揮
ポルセイド浜田の監督、山本尚希は2015-2016シーズン途中(8月)から2016-2017シーズン終わりまでF1・デウソン神戸の監督を務めた経験を持つ。そして2019-2020シーズン開幕を機に浜田の監督に就任。鈴村拓也(デウソン神戸)、豊島明(アグレミーナ浜松)に次ぐF2で3人目のF1監督経験者として指揮をとっている。
島根県のフットボールの活性化を!
その山本は今、選手の技術・戦術指導のほかに、地元・島根のフットボールの発展と活性化、そして、若く有能な新人をチームにどう集めていくかにも腐心している。やんちゃな印象が強かった神戸時代は、「そんなこと考えたこともなかった」と笑っていたが、新たなミッションが彼にこれまでにない充実感をもたらしている。そんな山本の新しい一面を引き出すインタビューとなった。
(4年前の山本監督関連記事)
https://www.targma.jp/pivoplus/2015/11/09/post19631/
前半序盤、♯3霜出聖也のセグンドへのシュートパスに♯10橋岡翔大が飛び込むが惜しくもゴールならず。
♯9キャプテン布田有祐(中央奥)、左コーナキックからの追加点を決めた。
土地柄、Fリーグだが感覚は育成に似ている
Pivo! まず、監督としてFリーグに復帰を果たした今の心境と、F1監督の経験をもとにF2を指揮してみてどんなことを感じているか。
山本 そうですね、F1でやっててまたFリーグにこうやって監督として戻れたっていうのはホントにオファーを出してくれたクラブに感謝してますし、すごい楽しめてます。やっぱり、こういう立場で仕事をしたいっていうのは常に望んでたことですし。今っていう時間は充実しています。
で、プレーですが、F1の経験も持ったうえで、やはり、地域的なものなのかもしれないですが、島根県浜田市って、あまりご存じない方も多いと思います。ま、その中でも、松江、出雲とか、ああいう都市からは1時間2時間離れた田舎になるので、やっぱり選手たちがたくさんの経験をしてきていない、今までにフットサルであったりフットボールを深く伝えてきてくれた人っていうのがもしかしたら少ないのかもしれない、そういう印象を受けました。経験値であったりとか、考えることであったりとかというのがまだ手薄になってて。覚悟はしてたんですけど、一からチームをつくらなきゃいけない。ホントに基礎的な技術であったりとか、フットサルっていうものがどんなものなのか、スポーツの本質であったりとか、原理原則であったりとか、ホントにそういうものを伝えながら一試合一試合成長してもらわなければいけない、成長させなければいけない。
だから、トップリーグなんですけど、Fリーグなんですけど、すごく感覚は育成に似ているというか。
僕も子供たちを教えて現場にずっと出てましたし、幼稚園からトップカテゴリーまで全カテゴリーにかかわったことがあるので、そういう経験もすごい生きてますし、僕が当たり前にわかっていることでも選手たちはまだわからない、知らない、経験したことがない。だから、そういうところもナイーブなんで。それが出来て当たり前だろう、ではなくて、事細かに、こうなんだよ、こうなんだよって根気よく伝えてます。
霜出、布田、道岡らがチームの中心として活躍
Pivo! 浜田の現状の一端がわかった気がする。技術的にも、試合前のアップ見てると監督が一番うまそうだ。
山本 (笑)いやぁ、うん、やっぱりそうですね。技術的にもある程度年齢のいった選手にもう一回技術をつけさせるっていうのは難しいところではあると思うし。でも、シュートいいもの持ってる選手、戦術眼としていいもの持っている選手もいます。
3番の霜出聖也みたいにチームを引っ張って司令塔になってくれる選手。9番のキャプテン布田有祐、ピヴォとして今日も屈強なフィクソ相手に背負うことができた。11番の道岡昌弘に関してはパワープレーでも通常のプレーでも常に走り続けて。僕と同じ36歳なんですけど、でも、一番姿勢として走って見せてくれて。
ホントに大変だと思いますけど、でも、そういうひとりひとりのストロングポイントっていうのも、もちろんあるし。僕はそういうものをいいものとしてさらに育てていく。それを僕がやることによって島根県浜田市のフットサルっていうものに興味を持って選手がもっと集まってくれる、そういうアプローチもしていかなきゃいけない部分だし。
神戸にいるときって、そんなことも考えたことがなかったんで。選手は入りたくても入れないのが当たり前だったし。
でも、なぜ選手が集まらないんだってこともホントにしんしに受け止めていかなきゃいけないし。そういう現実を受け止めて自分たちもやってくことっていうのはたくさんあるし。
何よりも勝って、強い姿勢を見せて、あのチームに入りたいって、若い選手が思って入ってくれる、そんなチームづくりを、選手にも伝えてますけど、みんなでやっていかなきゃいけないんで。
フットサルっていうのもそうなんですけど、あの地域のフットボールっていうものをもっと活性化させる、っていうミッションもあるのかなというのを思ってるんで。
下部組織もつくっていきたい
Pivo! ツイッターでもつぶやいていたが、新しい人材を呼ぶために、「スポンサー企業は社員雇用もしているし、社宅もある」とアピールしていた。